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18.02.13

《shed》ヴィンテージ腕時計店advintageがやってきます

3月3日(土)より二子玉川のshedにヴィンテージ腕時計の店がやってきます。時計屋さんの名前は「advintage(アドヴィンテージ)」。店主の佐伯さんが選んだ、イギリスの古い腕時計が並びます。そのどれもが魅力的だけど奥ゆかしく、装いと調和します。※こちらの展示会は終了しました

■その昔、時計は宝飾品店で買うものでした

―shedには、どんな時計を持ってきてくれるのですか。

「1940年から60年代に、イギリスの国内市場向けにつくられた時計が中心です。当時のイギリスでは、どんな小さな町にも宝飾品店があって、時計はそこで買われるのが一般的でした。

中にはそんな宝飾品店オリジナルの時計もあって、そうした時計は“ジュエラーズウォッチ”と呼ばれています。今回はヴィンテージウォッチの中でもそのジュエラーズウォッチを数多くお持ちします」

▲スタイルのあるヴィンテージ時計店をつくりたい、とadvintageをはじめた佐伯さん。ご本人は柔らかく話しやすい方です。面白い話がいっぱい聞けますよ

―宝飾品店が、時計メーカーにつくってもらった時計なんですね。

「そうですね。ジュエラーズといっても宝石でごてごてしているのではなく、むしろ主張が強くなく奥ゆかしさがあるんですよ。

メンズサイズも30ミリくらいで、今でいうボ―イズサイズの小ぶりのものが多く、男性だけでなく女性にも合います。多くのバリエーションがある中から、advintageではデザインが控えめでクラシカルなものを選んでいます」

「ジュエラーズウォッチとともにお持ちするのが、イギリスのブランド「スミス」の時計です。1960年代後半に安価で精度の高いクォーツ時計が誕生して、星の数ほどあった時計のブランドやメーカーが消滅してしまうのですがスミスもその一つ。中の機械も含めMADE IN ENGLANDにこだわった珍しいブランドです。

スミスの時計も、小ぶりで文字盤のデザインが控えめなので上品な印象です」

▲ロゴも謙虚で可愛らしいスミスの時計(写真中央)。1851年にロンドンで創業されたブランドです

■時計に合わせてベルトも慎み深く

―ベルトは当時のものではなく、付け替えているそうですね。

「古いベルトは見た目がきれいでも、内部がすでに乾燥していて破断すること可能性が高いんです。なので時計を見ながら、相性のいいものを新しく付けています。その多くは当店のオリジナルになります」

―advintageオリジナルのベルトですか?

「はい。advintageのヴィンテージ時計と同じ1940年代頃のベルトのデザインを再現して作っています。基本的にレザーベルトは消耗品ですが、当店のものは耐久性も高く、風合いが出てくる革が使われているので使っていくうちに魅力が増していくんです」

▲advintageオリジナルのベルト。今は芯材を入れてボリュームを出すデザインが多いのですが、当時のものに倣って比較的薄く仕上げられています。ステッチもなるべく細やかに

■時間との付き合い方が変わるかも

▲古いものだからこそのエイジングが楽しめるヴィンテージ時計。器の貫入のように文字盤がマーブル状に育ったものもありました

―時計は機械式なのですよね。どうやって使うのですか。

「基本的に1回最大まで巻上げると30時間前後動くので、一日のはじまりに巻くといですよ。巻く時は回し続けるのではなく、少し戻しながら巻くと機械に負担がかかりません」

▲時計を労わるような感じで、と佐伯さん

―そうやって毎日触ってあげると、大事にしようって思えそうですね。

「人が手を使って動かしてあげて、その日一日使うっていうのが手巻きのよさ。マニュアルの車のように、自分の手で機械を動かしている感覚が味わえますよ」

―なんだか、時間との付き合い方や過ごし方も変わりそうな気がします。

「昔の機械式時計の時代は、時計が遅れていたとか、時計が止まっていたって言い訳も通用していました。遅刻しないように、わざと時計を進めておく人もいたりして。

もちろん当店ではきちんとオーバーホール・動作保証をしていますが、ほとんど狂うことのないクォーツ時計や携帯が普及した今とはまた違った、アナログな時代ならではのよさを感じるんです」

いい時計を手に入れるとつい見せびらかしたくなるものですが、advintageの時計は主張が強くなく、あえて魅力を封じ込めているかのよう。その様子が上品で素敵なのです。

カテゴリ:エンベロープ, shed

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