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18.06.26
《つくり手ファイル》着てみてわかる、美しさ/TENNE HANDCRAFTED MODERN都島圭さん
上質な素材でつくりだす洗練されたシルエット、そこに添えられる遊び心のあるハンドクラフト。TENNE HANDCRAFTED MODERN(テン ハンドクラフテッドモダン)の2018AW受注会が、shedで行われます。デザイナーの都島圭さんにお話を聞きました。
※こちらは2018年の記事です
※2019年5月2日(木)~5月4日(土)二子玉川shedにて2019AW受注会を開催します
■「立体裁断の知識が、服をつくる力になっている」
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▲着てみたくなる服ばかり並んでいたので…
実は、お話をうかがった時間よりも、試着の時間の方が長かった今回の取材。
袖を通して感じたのが、展示されている様子もいいけれど、着るとよりそのよさが表れるということ。洋服の随所に着てみるとわかる美しさがあります。
そのシルエットの美しさは、都島さんの服づくりのはじまりに培われていたものでした。
「ずっと服が好きだったんです。理系の大学に通っていて就職も決まっていたんですけど、悩んだ末やっぱり服をつくる仕事をしようと決めました。
服づくりは、元文化服装学院学長で日本に立体裁断を普及した、小池千枝さんのもとで学びました。
トルソーに直接布をあてて立体的にパターンをつくる方法は、イメージ通りにシルエットがつくれるので今でもその知識に助けられています。ほんのちょっとした違いなのかもしれないけど、着るとシルエットや存在感の違いが表れるんです。
あの時の経験が僕の中では大きくて、服をつくる力になっています」(都島さん)
2004年に10型の洋服からスタートした「TENNE」は、10年の節目にブランド名を「TENNE HANDCRAFTED MODERN」とし、人の手ならではの仕事を大切にしつつ、より洗練されたアイテムをつくりだしています。
■「織り」と「編み」を追求
それでは、shedでご覧いただくアイテムをご紹介しましょう。
TENNE HANDCRAFTED MODERNの2018秋冬のテーマは「織りと編み」。布帛とニットを合わせたアイテムは、それぞれを適切な場所に配置することで、ただのコラージュではなく新しい着心地の服に仕上げています。
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▲自然につながる布帛とニット。「織りと編み」は先シーズンからつづくテーマ。より深めて、追求
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▲ノスタルジックな編み模様のトップスは、着てみるとスタイリッシュな雰囲気に。 ゆったりとした首元、くしゃっとした袖が可愛いらしい
布帛とニットが自然に連なっているので、まるで一枚の生地のようです。接合部分は、針で繊維同士を絡め合わせるニードルパンチの手法を採用。
何ごともないように見せながら、実はなめらかにつながるように手がかけられています。
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▲雪のような白のワンピースは、首回りと手元にニットをあしらって。 スクエアのポケットは手縫いでつけられています。限定数での生産だそう
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▲手首や首回り、ウエストなどはニットで暖かく。膝やお尻の部分には布帛といった具合に、素材使いにはきちんとした理由が
コートはつなぎ袖のデザインとトレンチ、フードタイプの3型登場します。
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▲袖がひとつなぎになっている「ガゼットスリープコート」。セットインスリーブのコートとはまた違ってかっちりしすぎず、こなれた感じに
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▲極細糸のウールを二重織りにしたオリジナル生地のコート。 暖かいのに軽いのはとても細い糸が使われているから。このレベルで織れる機屋(はたや)さんは、なかなかないそうです
■ロングセラーアイテム「4 COLOR SKIRT」のオーダーも
新作とともに、ブランドスタート時から愛されつづけている「4 COLOR SKIRT」のオーダーも受付ます。
4 COLOR SKIRTは、20色あるオーガンジーのコットンの中から4色選んでつくるオーダーメイド感覚のスカート。どの色を表にしても履けるので、仕事の日はネイビーを表に、休日にはピンクを表にといった着こなしが楽しめます。
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「このコットンを見た時に、重ねたらきれいだろうなと思ったんです。構造はシンプルだけど、着る人もつくる方も飽きがこないものをつくろうと思いました」
その言葉通り、今でもお客様が選んだ組み合わせに、はっとさせられることがあるのだとか。単色ではつくれない4色ならではの色の重なりに、13年を経てもなお発見があるそうです。
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▲薄い生地ですが、4枚重ねているので空気をふくんであたたか
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▲大人の女性のためにと、2年前に登場した「ロング」
ほかにも、しっとりとした質感のリネンシルクのシリーズなど様々なアイテムが並びます。
展示会にいらした際はご覧いただくだけでなく、袖を通すこともお忘れなく。そこには、人が着た時の美しさがあります。
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