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19.02.04

《つくり手ファイル》大人の女性らしさを追求、つくりのいい服を/SALUÉ 藤冨砂絵子さん

新たにご紹介するブランド「SALUÉ(サルエ)」の展示受注会が、2月15日(金)より二子玉川shedではじまります。デザイナーの藤冨さんにお話を伺いました。
※こちらのイベントは終了しました。記事の内容は2019年2月の情報になります

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■ メンズのスタイリストになりたくて、学んだ服づくり

リトアニアリネンを使った、オープンカラーのロングワンピース。何気ないようにみえて、どこか目をひく女性らしさと都会的な雰囲気をまとっています。

▲ SALUÉ のオープンカラーシャツドレス。肩の落ち感と五分袖が、腕をすっきり見せてくれます

ファッションブランド「SALUÉ(サルエ)」の服は、 女性だけでなく男性が見てもいいなと感じてもらえるような、ヨーロッパ的な感覚の“大人なかわいらしさ”を意識してデザインされています。

▲ゆったりした着心地ながら、野暮ったさは0。すっきりと女性らしいシルエットです

デザイナーの藤冨砂絵子さんは、30年ほど前、メンズのスタイリストになりたくて、桑沢デザイン研究所ドレスデザイン科で服づくりを学びました。

▲ SALUÉ のバンドカラーシャツワンピースを着た藤冨さん

当時の流行といえば凝ったデザインの服で、 “シンプルでなんてことない”服はメジャーではなかった時代。
そんな中、藤冨さんはマーガレットハウエルの無骨なアイリッシュリネンに惹かれ、メンズ服の基本をウィメンズに落とし込んだシンプルなデザインの服を選び、長く大切に着つづけていました。

「周りの学生は、デザイン要素を盛り込みすぎて『減らせ!』と怒られているのに、私はシンプルすぎて『もっとデザインをいれろ!』と怒られていました。そのときに、服をつくるの向いてないのかな、と思って」

結局、ファッション業界で働くことなく結婚。子育てが終わった数年前にキッチンウエアの雑貨店を始めました。その仕事で、良質なリトアニアリネンの生地屋さんと出合ったことで、自分が着たいリネンの服をつくってみようと決心します。

■自分が着るなら“つくりのいいもの”を

昔、学校で教わったのは“服は裏を見る”ということ。つくりのいい服とは、見えないところにデザインがあり、技術があるのです。

藤冨さんは服が好きだからこそ、服の裏まで手の行き届いた“つくりのいいもの”を着たいし、つくりたいという思いがあります。

▲コートの襟は、表裏で別の型を使いパーツを増やすことで、美しく見えるように

とはいえ、アパレル会社に勤めた経験がない藤冨さんは、服づくりのすべてがはじめて。

学校で学んだとおり日頃から服の裏を見てきた藤冨さんは、仕上がったサンプルのちょっとした「なにかがちがう」に気づくことができました。でも「どうすればよくなるのか」対処法がわからなかったそう。

そこで、いろんな人のもとへ飛び込むようにアドバイスを貰いにいきます。

「なにもわからないからこそ、 なんでも聞いてやってみることが大事だと思ってて。 恥ずかしいことなんてないんです。 教えて!と正直に、いろんな人に聞く。 そして、その人の意見を実現してみようと最大限に努力します。」

ファッション業界の余計な知識やしがらみがなく、純粋に“いいもの”のために自ら行動し努力を惜しまない姿勢が、藤冨さんの服づくりの根源にあります。

▲ユニセックスのパンツ「エッグチノ」は、藤冨さん憧れのパンツブランドのデザイナーに自ら連絡を取り、アドバイスをもらって完成 
▲男性の意見をウィメンズの服に取り入れることを大切に。だからこそ、子供じみない、ヨーロッパ的な大人のかわいらしさが実現するそう

そうして、誰もが知る有名ブランドのコレクションに携わる一流のサンプル店にたどり着き、その社長から理想的なパターンナーを、パターンナーからは憧れのブランドの縫製工場を紹介してもらえることに。

▲裾が広がるように、ちょっと斜め内側にはいったピンタック。有名ブランドのサンプルをつくっていた社長も「これは難しかった」と 言うほど

「絶対につくりのいいものを完成させる」という強い思いと、素直な行動力で、一流の技術を持つ人々と垣根なくつながることができた藤冨さん。

たくさんの人の意見を吸収し、最大限に還元して、SALUÉ独自のシンプルな美しさが生み出されています。

▲ボタンにもときめく"いいもの"を。横長のボタンは少し留めにくいけれど、このかわいさは絶対にあきらめちゃダメ!と決めて、人気の1枚に

■見せて着たい! SALUÉのアンダーウェア

「実はいま、アンダーウェアもつくっているんです。いかがでしょう…」と、打ち合わせに持ってきてくれたサンプル。一見しただけで「こんなにときめくアンダーウェアは見たことない!」と心が躍りました。

▲ロングパンツはウエストゴムでリラックス。トップスをインしてもかわいく見えるウエスト仕様です

それが、 二子玉川shed ではじめてお披露目となるアンダーウェアライン「white label(ホワイトラベル)」。 さらりとした軽い肌触りのコットン100%が着心地よく、シンプルでありながら、外に見えてもおかしくないほど“下着感のない”デザインが魅力です。

▲キャミソールは、脇の上のほうまでぴたっと添うような安心感のあるライン。胸元のちょっとした2タックが、特別なかわいらしさを生んでいます
▲ こんなのが欲しかった!という声から生まれたロングペチパンツ。ワンピースの下に履いて、裾からちらっと見せて

■着回しの多様性を最大限に

(こちらのイベントは終了しました)
二子玉川shedでの展示受注会のテーマは「cottonとlinen、minimumとmaximum」。
着る人の個性を引き出せるようデザイン要素は minimum(最小限)に、着まわしの多様性はmaximum(最大限)に、という意味が込められています。

▲ビジュアル写真に使ったのはピンタックノースリーブドレス。縦のラインの美しさが際立つデザイン

男性から「僕もSALUÉ を着たい!」と言われてはじめたユニセックスのシリーズは、男女・身長を問わず着ることができるデザインとサイズ感で、最大限の多様性を持っています。

ジャケットやバンドカラーシャツ、「エッグチノ」は、都内のメンズセレクトショップにも置いていて、とても好評だそう。もちろん、二子玉川shedにも並びます。まわりの男性を連れて、ぜひ二子玉川に足をお運びくださいね。

▲ユニセックスのシリーズは、男女どちらにも合うフリーサイズ。夫婦で着てくださる方も多いそう  


写真提供:SALUÉ(8、16枚目)

カテゴリ:エンベロープ, shed, つくり手ファイル

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