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23.08.30
《ベルギー出張旅行記》第2話:シークレッツオブリネンのアトリエへ
今年1月に開催されたフランスパリの国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」をきっかけに行ったはじめてのヨーロッパ出張をセールス担当まつもとがお届けします。
第1話につづいて第2話では、ラグのブランド「シークレッツオブリネン」を訪ねた様子やベルギーからパリへ移動日のことをお伝えします。
<第1話はこちらから>
■オーダーメイドのラグ。シークレッツオブリネン
1日目、ミューレベーケにあるLIBECO本社に直行した後は、ポップアップにて取り扱う予定の「シークレッツオブリネン」へ行きました。
シークレッツオブリネン(SECRET OF LINEN)は、ベルギーリネンを使ってオーダーメイドで絨毯などをつくっている会社。こんなにリネンを贅沢に使ったラグを私は日本でみたことがなかったので、最初に知ったときは結構衝撃的でした。
特別な要望も多い建築家の案件などをメインにものづくりしています。家族経営でやっているブランドです。
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アポイントの時刻から1時間くらい過ぎてしまったので、「ごめんなさい、遅くなります」と、担当のローラに慌ててメールしたら、「問題ない、待っているよ」と返事をくれて見学ができました。
そういえば、急いでシークレッツオブリネンに向かう際、コルトレイクからUberでタクシーを配車して向かったのですが、やってきたのは予想をはるかに超える、見るからに陽気なおじさん。
乗車するやいなや爆音で情熱的なレゲエが流れているし、運転も荒く「ジャパニーズ?」って話しかけてきた後は、急に友達と大声で電話しはじめたりして……(笑)言葉を交わすことはほぼなかったけど、忘れられないおかしな時間でした。
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そんな感じで、無事にシークレッツオブリネンに到着。
建物につながる路地の入口には、「私道だから、スピード調整お願いします」という看板。リネンの商品を取り扱っているからか、フラックスの花の写真が使われています。
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道なりに行くと、美術館を彷彿とさせる建物がひっそりと建っていました。想像していたオフィスとは異なり、なんだか緊張。
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建物の中に入ると、まるで古い病院の受付のような雰囲気。ピーとボタンを押して名前を伝えたら、「ハーイ、私よ」とローラ。
リネンのラグが床の全面に敷かれた打ち合わせ室で挨拶した後、まずはラグのサンプルを見せてくれました。
これは定番のLino(リノ)シリーズ。表面はさらっと柔らかく少しひんやり。
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Linoシリーズの色見本。色見本の見せ方もおしゃれです。どれも素敵な色だし、こんなにあったら悩んでしまいます。
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すべてのサンプルにデザイナーの名前と仕様がメモしてあります。
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■現代美術家がいそうな雰囲気あるアトリエ
先ほどのクラシックな建物のすぐ裏には、アトリエがあります。19時近くになってしまったので職人さんたちはほとんど帰っていて、ローラが作品ごとに説明をしてくれました。
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このラグは建築家案件で、これから納品するそうです。こんなに大きいラグは海外の建築雑誌でしか見たことありません。
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こちらの2枚は製作中のラグ。裏地をリネンにするかラテックスにするか、打ち合わせで決めてから仕上げると話していました。
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裏地がラテックスだとこんな感じです。
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どれも触ってみるとしっかりとした厚みを感じられ、土足でも耐えられるラグだなと思いました。とにかく大きかったです。
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このアトリエに建築家などを案内して説明するのが日常のようです。私が見学したのは一区画で、広い敷地の奥のほうにまだ2棟あるようにみえました。ラグの出荷などはその棟でしていると想像。
見学が終わると、ローラは「駅まで送っていくよ」と言ってくれて、コルトレイクまで車に乗せてくれました。
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ローラと別れて1日目は終了。このあとブリュッセルに移動し、ホテルでは泥のように眠りました。
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■ベルギーからパリへ移動
翌日は、メゾン・エ・オブジェ開催のパリへの移動日。朝日が昇ってホテルの窓から見えたのは、こんな景色。
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国の旗があがっていたり、個室に人がいたので市役所っぽいなと思ったのですが、調べたら企業のオフィスでした。
ベルギーの朝は確か1℃くらいで、すごく寒かったです。風も強く、手がかじかんだのを思い出します。そして、いたるところで工事が行われていたのも印象的。
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午前中は少しだけベルギー観光。こちらは「サンミッシェル大聖堂」。人生でこんな大きな教会は初めてでした。写真よりも、ものすごく中が暗かったです。
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厳かな雰囲気で、朝だったのでお祈りしている人の姿も。教会には、位の高い人が結婚式を挙げた写真も残っていました。
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澄んだ空気を感じながら、散歩。こちらは、世界一美しい広場といわれる「グランプラス」。また工事しています。
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グランプラスのブリュッセル市庁舎にある「小便小僧」。
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ベルギー出身のルネ・マグリットの美術館。
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散策を終えて、昼には、ブリュッセルミディ駅からTGVに乗車してフランスのパリへ移動します。
駅は30分前に到着し、電車が来るのを待っていました。しかし乗車する予定の電車がいきなり運行中止と電光掲示板に表示され、何が起こっているのか分からない状態。初日で持ち手が取れたキャリーケースを抱えて持ちながら、急いで下階の窓口へ。
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すると、あと3分後には発車する別の電車を案内されました。内心、間に合うかな?と思いながら、言われるがままに急いで上の階のホームへ。案の定、すぐ目の前で電車のドアが閉まるという始末。
また窓口に戻り、約1時間後の振替の電車をもう一度案内されて、ようやくパリへ出発……。この一件で、どっと体力を消耗しました。
社長に話すと「よくあることです」の一言。時間通りに動く日本の鉄道は世界に誇れるものですね。
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到着したのはシャルルドゴール駅。パリは人で混雑していて大都会という感じ。夜はフランスらしい夕食にありつけました。
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第3話では、フランスパリでのメゾン・エ・オブジェの様子、国際見本市と一体となった街の風景、そこから得た私の気づきをお伝えします。
<第1話にもどる> <第3話はこちらへ>
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