スタッフこぼれ話

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いつまでもものづくりを

先日、祖母がブラウスをつくってくれました。
生地は、祖母が何十年も前に買っていたという白いシルクの生地。当時の勤め先の奉仕品で大特価だったそう。

実はこの生地、「若い人なら使ってくれるかしら」と一度生地のまま祖母からもらったものでした。ただ、見れば見るほど古い生地の美しさに鋏を入れることを躊躇してしまい、早何年…(!)。

先日祖母にその話をしたら、形にしてくれることになりました。デザインはこういうのがいいな、などあれこれ要望だけを伝えたら、2~3日であっという間に完成。パターンから縫製まですべてを一人でこなす、90歳の祖母の行動力に驚きました。

同じころ、新たな余り生地を見せてくれた祖母(祖母は決して新しい布を買うことはしません)。ベージュのシャンタン生地で、ちょうど友人の結婚式が近かったのでこういうデザインのドレスにしたいと話したところ、一緒につくることに。祖母の厳しい指導の下、久しぶりにパターンを引いて、一から服をつくりました。

▲クラシックなドレスを参考に。脇に切り替えを入れ裾のあたりはタックになるようにしました

一人なら悩んでしまうことも、誰かと一緒だとすぐに解決できたりさらによいものが生まれたり。学生のころのような、みんなでひとつのものをつくっていたときの楽しい感覚を思い出しました。いつの間にか、こういう気持ちを忘れてしまっていたようです。

そうしてできたドレスやブラウスを、わたしも次の世代に引き継げたらいいな、ものづくりを楽しむおばあちゃんになりたいな、と思わせてくれる祖母。いつまでも元気でいてほしいものです。