スタッフこぼれ話

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初夏のアアルト

オリンピックの開催も危ぶまれていた、一か月以上前の話です。世田谷美術館での展示「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」に行ってきました。

どうしても見たかったので当日券を切望してダメもとで会場へ。雨の土曜日でしたが軽い足取りで、運よく展示をみることができました。

▲ヘルシンキでアアルト邸を見学したときの写真

建築家 アルヴァ・アアルトと、その妻であり同じ建築家のアイノ・マルシオ。今回の展示は、アルヴァの傍らでアアルト建築を支えたアイノに焦点をあてたものでした。

同じ時代に生きたかった人物と言えば、この夫妻が思い浮かぶほどにアアルト建築に惹かれる私。展示をみて改めてジーンとくることがいくつもありました。

なかでも印象的だった一つが会場に流れていた映像で、近親者が当時のアイノとアルヴァを振り返るひとコマ。
ふたりがダイニングルームで仕事についてよく話していたことを明かし、その内容について「建築論を語ることはなく、ほとんどが実践的な話だった」というものでした。

▲アアルト邸のダイニングルームのしつらえ
▲リビング横の設計スペース

みんなに受け入れられる建築を考え、量産を念頭に置いたデザインと言えばアアルト。それを体現しているような言葉で、心に残りました。

美術館で展示をみているとき、その人のことなのに、いきなり自分の身体のなかに言葉が入っていっぱいになるようなときがあります。その楽しさをひさびさに思い出しました。