スタッフこぼれ話

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アーティゾン美術館

先日、気になっていた写真家、柴田敏雄の展示をみつけて、京橋にあるアーティゾン美術館(元ブリヂストン美術館)にはじめて行きました。

観たのは「写真と絵画―セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」と、同時開催の「Transformation 越境から生まれるアート」。

展示の内容が個人的に大ヒットで……アート初心者の心を根こそぎにされ、写真家や画家の人生の心境を想像しながら思い返しています。ただ観ただけなのに、あとに残るくらい説明が分かりやすく、企画に魅了されました。

一つ目は、画家セザンヌに対して活動の初期から関心があったという二人の写真家を、絵画という切り口でセザンヌ以外のさまざまな画家を混ぜ、魅力を語るもの。

▲柴田敏雄氏の写真。新潟出まれの私は撮影地に新潟柏崎市が多かったのが気になりました
▲鈴木理策氏の写真

写真家たちの特性を考えさせられるような並びの、ただ観る以上の提案の仕方で、一人の作家の軌跡を追うのとはまた異なる面白さがありました。

二つ目の「Transformation 越境から生まれるアート」は、近代以降の画家がどのように変化していったのか、越境には時や歴史の意味があったり、日本から西洋に渡るという場所の越境があり、感慨深い内容でした。

▲印象強く残った画家ザオ・ウーキーの「水に沈んだ都市」

高層ビルの低層階につくられた美術館は、街に開いた飾らない印象も抱きました。

最後にエスカレーターで下に降りることでアートにまつわるノンフィクションは幕を閉じるのですが、自然光が一切入らない展示スペースから解放された後の眺望は、ちょっとマンハッタンのよう。現実世界を切り取るような建築の開口部にも大満足でした。