スタッフこぼれ話

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群馬県立館林美術館

先日、ランドスケープ目当てに群馬にある館林美術館に行きました。建築巡りが好きな私は、これまでランドスケープデザインという言葉に作為的なイメージを抱いてしまって、なんとなく苦手意識がありました。

この美術館のランドスケープ(景観)が素晴らしいと聞いて、半蔵門線、東武スカイツリーラインと列車を乗り継いで2時間半、最寄りの館林駅へ。

駅から自家用車のように小さなワゴンの巡回バスに乗り、小さな公民館前で下車。そこから林を抜けて歩いていくと、あたり一面に広がる田んぼの中に景観全体を包み込むような湾曲した現代建築が佇んでいました。


それは一つの美術館が広大な大地全体を公園のようにまとめ上げ、また反対に美術館のエントランスまでの道のりすべてが、芸術への導入のような役割を果たしているようでした。

この美術館のテーマは「自然と人間の関わり」。スケールを感じるとともに、日本の未来をみているかのような素晴らしい場所にたどり着いたという気がしました。

街の一端を担い、公共性が伴う建築は、自然や風景と調和するように計画されるのは当たり前のこと。ですがランドスケープデザインのプロによる、この景観に出会って以来、想像を超えるものをみてしまった感じがしました。

▲開催中だった、絵本作家かこさとし展も心が洗われていくような時間でよかったです

予想外といえばもう一つ、自家用車のような街の巡回バスも印象的。

行きも帰りも同じ運転手さんで二人きり。気さくに世間話をしてくださって、帰路の列車でなんとなく、もう話すことはないかもしれないな、と思うと同時に、知らない相手とたのしく言葉を交わしたことに、もうコロナ禍は過ぎていったんだな、とその現実に対して、妙に感じ入りました。