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柱と壁のない建築

12月上旬、横浜港大さん橋国際客船ターミナルに行ってきました。最寄りは、みなとみらい線「日本大通り駅」。スターウォーズの宇宙船を彷彿とさせる、この建築をなぜもっと早く見に行けなかったのだろうと思うほど、面白い要素が詰まっていました。

というのは、他の建物には当たり前にある柱と壁がないのです。建築はテーブルや椅子のように、足があってその上に板がのって、空間が生まれます。

横浜港大さん橋は、折板構造という蛇腹状の屋根が空間をつくり出している低層の建物。その空間は天井が低いけれどもとても落ち着く空間で、窓からの視界はどこか双眼鏡から何かをみるよう。

ホールを囲む通路は迷路のようでもあるのですが、息継ぎするように側面にガラス天井があいていて、エンターテイメント感たっぷりの場所でした。

この場所に来て思い出すのは、2020年東京オリンピックのために建設された国立競技場の設計コンペ案。建築家・田根剛氏の古墳スタジアム案はこの横浜港大さん橋と同じように屋根まで地続きになって登れる仕様で、豊かな公共の場をつくっていました。

横浜港大さん橋は、設計案が出てから本当に建てられるのか、どうやってつくるのか、竣工まで時間がかかったそうです。理想を模索し、見事に実現した建築が横浜にありました。