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23.10.31
〈家具のお話〉フォーマイカトップ・テーブル
エンベロープではヴィンテージ家具を取り扱っています。昔使っていた人たちがどんな生活を送っていたのか思いを馳せ、“生活にとけこむ” 家具をセレクト。 そのよさをより多くの方にお伝えできたらと、ヴィンテージ家具専任スタッフの「家具のお話」をお届けします。今回は1960年頃から広まったフォーマイカトップ・テーブルについてーー
■時間を蓄積した、この時代ならではの風合い
フォーマイカトップ・テーブルの魅力は何と言っても耐水性・耐熱性・耐摩耗性に優れていること。
アメリカのメラミン化粧板メーカーの名称であるフォーマイカの天板は、通常のヴィンテージやアンティークの木の天板のように輪染みのお手入れ(ワックス掛け等)の心配がいりません。
普段使いをしても傷や染みを気にしなくていいのでヴィンテージビギナーにもおすすめです。
そして、メラミンならではの自由度の高い配色も魅力のひとつ。テーブルクロスをしなくても地味になりがちなテーブルトップが華やかに様変わり。いろいろなテーブルセッティングを楽しめます。
■フォーマイカ登場までは机のメンテナンスが大変だった
今でこそウレタン塗装の普及で水や熱に強いテーブルは当たり前になりましたが、それ以前はシェラックニスという16世紀から使われてきた塗料が用いられました。
シェラックニスはLaciffer Laccaという甲虫が出す分泌物をアルコールに解いて塗料にしたもの。色艶が絶妙で使い込むほどに風合いが出て、塗り直しなどのメンテナンスも楽なのですが、耐水・耐熱性がないのが難点でした。
なので、いわゆるミッドセンチュリーの流れとともに登場したフォーマイカテーブルは、傷や染みに悩まされた多くの人にとって一大センセーション(!)だったに違いありません。
■空間で静かに存在感を放つ
もちろん無垢材や木目のベニヤの天板が織りなす高級感に比べるとその違いは否めませんが、どこかレトロでなつかしさを感じる色合いや、敷居は高くないけど存在感のある佇まいは、フォーマイカテーブルにしかない魅力です。
英国風レトロな演出や、チープシックな空間づくりにピッタリなフォーマイカ。お部屋のイメージチェンジにも最適です。ぜひ、取り入れてみてください。
カテゴリ:家具のお話
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