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21.12.07
銀座に常設店がOPEN!ヴィンテージ腕時計店「advintage」を訪ねてみました
エンベロープでは年に1度開催している、ヴィンテージ腕時計店「advintage(アドヴィンテージ)」のONLINE TRANK SHOW。今年も12月10日(金)よりスタートします。
advintageのお店は週に1度オープンする営業形態でしたが、2021年10月に東京・銀座に常設店オープン。そしてその場所が日本有数の名建築(!)と聞いて、改めて訪れてみました。
■時計と同じように、長く時を経たレトロビルへ
銀座一丁目の駅から3分ほど歩くと、一際存在感のある昭和レトロな面影を残した建物が目に入ります。こちらが、移転オープンしたadvintageが入る奥野ビル。
奥野ビルは、1930年代に同潤会アパートの設計で有名な建築家 川井良一氏によって高級賃貸アパートメントとして建設された建物。堅牢で美しくつくられた外観・内観ともに当時の状態をできるだけそのまま残そうとメンテナンスをされていて、現在は約20軒のギャラリーやアンティークショップが入った「アートビル」として今もなお多くの人々が行き来しています。
中に入ると、ここだけ90年前から時が進んでいないのかと思わせる空間。エントランスの年季の入ったタイル壁は重厚感があり、当時日本で初めて設置されたという手動開閉式エレベーターからはかつて高級賃貸住宅だったという面影が残ります。
2階に上がって少し進んで、215号室。advintageの新しいお店が見えてきました。
■advintageのスタイルを表現できる空間
店の中に入ると、約6坪と小さな空間の中に建物の雰囲気を引き継いだような古い時代の什器たちが配置され、ヴィンテージの時計と広告(ポスター)が整然と並びます。
「部屋中央の角型アーチと奥に見える木枠の丸窓が、ロマネスクの礼拝堂みたいで気に入っています」と、佐伯さん。どこか教会の中のような静謐な空気が流れていて、advintageという時計店の世界観を今まで以上に感じさせる空間になっていました。
奥野ビルに常設店を開くことになった理由を聞いてみると、実は特に探しているわけではなかったそう。
「それまでは週に1回渋谷の雑居ビルでひっそりと営業するスタイルでしたが、たまたま話が舞い込んできました。POP UP SHOPでお世話になっていたUNION WORKSさんが元々入っていた部屋だったのですが、ここに店をつくらないかと。
一日だけ悩んで、すぐにやろうと決めました」
ビルができたのが1930年代で、advintageの腕時計も近い時代のもの。同じ時代の古きよきものというつながりにも、少し縁を感じたとのことです。
そうして話をもらってからたった2か月後にオープン。ハード面は前に入っていたお店をそのまま引き継いだ部分がほとんどで、最低限の什器からはじまりました。
「銀座に来てから以前より来てくれる人が増えましたし、なぜだか修理の依頼が増えました。ヴィンテージウォッチは圧倒的に男性のお客さまが多いのですが、女性も増えてきているんですよ。
まだ店内什器も揃っていませんが、気に入るのが見つかるまでは時間がかかりそうです。少しずつ変化していくと思うので、その成長過程も楽しんでいただけたら」
■無名でも美しく個性的なヴィンテージウォッチを
advintageがセレクトするヴィンテージウォッチは、現在では存在していないメーカーやそれほどメジャーではないブランドが手掛けたもの。例え無名であっても、有名ブランドに引けを取らない十分なポテンシャルと個性を秘め、何より美しい腕時計です。
ブランドや希少性に価値を見出すのではなく、そのデザインや雰囲気を今の時代の感覚で味わいながらその日のファッションや気分に合わせて身に着ける腕時計を届けたい、とお店を続けています。
銀座店はオープンしてからまだ2か月。この歴史あるアートビルで常設店を構えるようになったのも、普段からadvintageが体現している世界観に共鳴する人たちがいたからこそで、必然だったのかもしれません。
今回お話を聞いている間も、佐伯さんの柔らかくて人をリラックスさせる話しぶりは健在。人によっては少しハードルが高いように感じるヴィンテージウォッチも、その人自身に寄り添いながら見立ててくれるでしょう。
■advintageの読みものをどうぞ
エンベロープオンラインショップでは、12月10日(金)よりadvintage佐伯さんの選ぶ腕時計を期間限定でご紹介します。過去にご紹介した記事から、今回のアイテムに特に関連するものを2本選びました。ご紹介前に、ぜひご覧ください。
カテゴリ:エンベロープ