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17.06.19
《つくり手ファイル》商品と一緒にお届け 藤井麻利絵さん「季節のポストカード」
お買い物をしてくださったみなさまへ、商品と一緒にお送りする「季節のポストカード」ができました。カードの絵は、作家藤井麻利絵さんが描いたものです。ただ今お届けするのは紫陽花ですが、季節とともに植物は替わります。※6月19日(月)発送分よりお送りします。
■感謝の気持ちをカードを添えて
「商品が届いたときに、ちょっとしたおまけが添えられていたら嬉しいよね!」企画会議での思いつきから、エンベロープのポストカードづくりはスタートしました。
手紙を送るためだけでなく部屋に飾ることもできるカードは、何枚あってもいいもの。目にした時に心が和む、美しい草花が描かれていたらお客様に喜んでいただけるのでは…そんな私たちの思いにぴったりだったのが、藤井さんの絵でした。
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▲お届けするのはこちらの紫陽花のカード。グレーか生成り色どちらか1枚商品と一緒にお送りします
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▲リネンバード二子玉川店のスタッフを経て、現在は大阪を拠点に活動している藤井麻利絵さん。その作品はinstagramでもご覧いただけます
植物を描くのが好きだという藤井さん。少女時代、沢山の花が咲くお祖母様の家に遊びに行くと「どれでも好きなものを持って帰っていいよ」と花切り鋏を渡してくれて、持ち帰っては飾っていたそうです。自分でも庭で好きな花を育ていたので、植物は身近な存在。その頃から描いていたのだといいます。
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▲藤井さんの写真から。大らかな花びらと動きのある葉をもつ芍薬は描きたい衝動にかられる花の一つ。芍薬農家でアルバイトをした時は、間引きしたつぼみを両ポケットいっぱいに持ち帰りスケッチしたことも
「幼いころから植物の観察や見ることが好きでしたが、本格的に描くようになったのは美大の予備校時代です。受験科目のモチーフとして色々なものがありましたが、植物もよく出されていました。
描くために色々な角度から観察し表現するうちに、自然のものがどれだけ色や形、線が美しいかということを学ぶことができました。いつも画面の中でいかに植物がのびのびといられるか、美しいラインを汲み取ることができるのかを考えていました。それは、今でも植物を描く際に一番気をつけている部分でもあります。その後美大ではなくテキスタイルデザインの専門学校へ進んだのは、植物を描くのが好きということが活かせそうだと思ったのが理由の一つでした」
就職してからは作品として絵を描くことはほとんどなくなりましたが、絵を見て好きだと言ってくれる人達と出会ったことで、また描いてみようと思ったのだそうです。現在は展示会などを行いながら制作活動をしていて、今回のカードのような点描作品だけでなく色のあるものやドローイングなど、あまり形にこだわらず様々な表現方法を試みています。
■小ぶりな花弁が愛らしい紫陽花を「点」で表現
ところで「点描」とは、あまり聞きなれない方法ですがどのように描くのでしょうか。
「点描というのは名前の通り、線や塗りを用いずに点だけで描きあげます。色の濃い部分や影の部分は点の密度を高くすることで表現しますし、白や光の当たる部分は点を少なく描きます。ペンを用いて描くので、一度密度を上げ過ぎたり(描き過ぎる)と途中で修正ができないので、 慎重に作業するので時間がかかります。とにかく根気のいる描き方ですが、誰でもできる描き方でもあります。ここ最近はこの技法で描くことが多いです」
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▲点描での制作風景。特別な道具は使わずに、実物を見ながらペンでひたすら点を描きます
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▲自宅に飾られていた植物標本。アンティークを扱うお店で購入したものだそうです。古いものに宿る美しさにも刺激をもらいながら作品づくりに携わります
ひたむきに植物とむきあって制作された藤井さんの作品の静謐さは、改めて身の回りの自然の美しさを気づかせてくれます。紫陽花のあとはどんな植物が描かれるのでしょうか。次のカードもどうぞお楽しみに。
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