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19.05.22

《リゼッタのアトリエを訪ねて》フランスのカゴ展

リゼッタスタッフに聞いた、服づくりのことやおしゃれのことをお届けする「リゼッタのアトリエを訪ねて」。今回は恒例の催し「フランスのカゴ展」のお話。毎年一度リゼッタに並ぶ、様々な表情のカゴ。それは、つくり手を訪ねて恵まれた出会いの数でもあります。

■暮らしの中から生まれたカゴ

リゼッタのデザイナーは無類のカゴ好き。フランスの暮らしの中で生まれたカゴに魅了され、お客様に紹介したいと思ったのが「カゴ展」のはじまりです。

それは10年以上前のこと。

地図にものらない小さな村へ職人を訪ねたのが最初。

フランスのカゴを知れば知るほどその魅力と奥深さに感動し、以来、各地に少しずつ仲間が増えました。

フランスと一言でいっても地方によってフォルムや材質も違います。

かつては農閑期につくられた市場で作物を運ぶためのカゴ。婚約者への贈りものをいれるためのカゴ。収穫に使うカゴ。

どれもその土地ならではのストーリーをもっていて、人の手でつくられるあたたかさがあるのです。

■新たな出会いはオーベルニュで

今回のカゴ展に新しく登場するのはオーベルニュ地方の小さな村で出合ったカゴです

周辺の村々は小さな栗の一種、シャテーニュの産地であることからそこでつくられるカゴは栗拾いやキノコ、木の実をいれるためのもの。

代々受け継がれる手法に忠実に、3人のムッシューがつくりつづけてきたものです。

もう一つが、リムーザン地方の工房で生まれるカゴ。

名だたるメゾンのアクセソワールも手がけるその工房でつくられるのは、伝統的なものだけでなく、モダンなものも。

「いつかリゼッタもオリジナルのバッグなど発注できたら」とリゼッタのデザイナーは言います。

■その土地ならではが、一堂に

もちろん、今回も長くお付き合いがつづく職人のカゴの数々が登場します。

カゴといっても製法も用途もそれぞれ。違いが生まれる背景にはその土地ならではの理由があって、それを探るのもカゴ展の面白さの一つなのです。

▲柳の皮をむかずに、芽がついたままうずまき状に編んでつくられるぺリゴール地方のカゴ。作者であるムッシュー・フィリップは、この伝統を受け継ぐ希少な職人です
▲ムッシュー・フランソワのカゴ。黄色や赤、緑など樹皮をむかずに柳本来の色で編まれていて、トラディショナルでありながら洗練されています。丁寧な仕事は群を抜いています
▲細く裂いた籐を1本1本編んでつくる「サック・ド・フィヨンセ」。婦人用バッグの原型といわれもいわれ、古くは宝石やレースなど婚約者への贈りものを入れるバッグとしても使われていました。このカゴを編める人は少なく、ムッシュー・ジルは貴重な存在です

■これからもつくり手とともに

オープン当初から開催してきたカゴ展も、今回で11回目を迎えました。リゼッタが思うのは、これからも細く永くこの催しをつづけていこうということ。

昔ながらのカゴをつくる職人は、年々少なくなっています。伝統のバトンが受け継がれないまま、その姿を消してしまうのは悲しいこと。

「小さい声ながらもこの価値を伝えていくことが、私たちの使命だと思う」そうリゼッタは話します。美しい日用品がこの先もつづきますように。

2019年のカゴ展「11e La Vannerie Française フランスのカゴ展 」は、5月24日(金)15時よりエンベロープオンラインショップでスタート。

リゼッタ二子玉川店でも開催します。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

カテゴリ:リゼッタ, リゼッタのアトリエを訪ねて

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