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24.02.02

《リゼッタのアトリエを訪ねて》南フランスのキルト「ブティ」

もうすぐリゼッタからハンドステッチのキルトジャケットが登場します。イメージソースとなったのは南フランスの古典的なキルト「ブティ」。「白い布の彫刻」とも呼ばれるブティについてデザイナーの平がつづります。

■まさに布の彫刻、ブティのお話

プロヴァンス発祥のブティは、綿(ワタ)を詰めてつくったことを考えると、綿がフランスに入って来たころ17世紀以降のものであるだろうと推測する。

プロヴァンスの小さな村で出合ったこのキルトもブティの一種だと思います。アンティークの村として知られるプロヴァンス地方のこの村は縁あって数回訪れましたが、小川が流れるきれいな村で毎週末はその小川沿いにアンティークの市がたちます。

店内にはいるとたくさんの古い布が積まれ、私には夢のような空間でした。

そこで出会ったのが真っ白なブティのベッドプレス。

聞けば模様に刺した中に綿やコットンヤーンを詰めて模様を浮き立たせていくその手法は布の彫刻のようです。

古くは職人が多くいたそうですが、18世紀以降は女性が家庭でつくっていたようです。ベッドプレスやクッションは、赤ちゃんのマットなど家庭の手芸品として決して軽んじられるものではありません。

私はなぜか幼少の頃から綿入りのものに心惹かれ、日本の裾ふきの着物にも憧れがあります。今では原始的な技法なのかもしれませんが、昔の人はそうして超絶技巧をつかい、豪華に華やかさをだしたのでしょう。そして、それはやがて家庭に普及していったのでしょう。

ひと針ひと針……。このキルトも家庭のなかでつくられたものに違いありません。

ぬくもりを纏いながらそんな時代に敬意と尊敬の念を抱くのです。

平真実

平がプロヴァンスで出合った古いキルト。その雰囲気はそのままに、古典的な技術をデイリーに落とし込んだジャケット「 レア 」は2月6日(火)よりご紹介します。

カテゴリ:リゼッタ, リゼッタのアトリエを訪ねて

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